キャンバーボルト取り付け

諸事情によりお車の画像は御座いません。

悪しからず御了承下さい。

 

さて画像は無いですが、本日のお仕事の一部を御紹介致します。

キャンバーボルトの取り付け及び、キャンバー調整です。

「キャンバーボルトってなんぞや？」と思われるかもしれませんね。

 

製品はこんな感じの特殊なボルトとナットと特殊なワッシャーです。

今回は当店お馴染みの『AMTECS SPC EZ CAM XR 12mm』を用意しました。

 

ボルトは細い部分と「カム」と言われる太くなった部分がある独特な形状です。

ボルトが生える部分と言ったらいいのか分かりませんが、そこが中心から少しずれています。

 

この特殊な形状のおかげでボルトを回してキャンバー調整が効く様になります。

 

 

では実際に取り付けを行います。

 

取り付けるのは新たに穴を開けてボルトを付けるわけではなく、既存のボルトと入れ替える形で使用します。

その交換場所がコチラです。

今回はフロントナックルですね。

一般的にこの２本あるボルトの内、上側を交換します。

 

 

なので上下でボルトの見た目が変わり、こんな風になります。

ナックルの厚みは車種によってバラバラで、キャンバーボルトは汎用性を持たせる為にボルト長が長めです。

そして今回のお車ではネジ代がこんなに余ってますｗｗ

 

余ったネジ代は特に干渉するものもないので、これでOKです。

 

 

ボルトの頭は純正がこんな感じで、17HEXの工具を使用するボルトでしたが、

 

 

キャンバーボルトは、ボルト頭が14HEXの工具サイズに変更になり、タブが付いた特殊なワッシャーが特徴的です。

このタブの向きが大事で、今回の様に車両内側に向けてボルトをセットするとネガティブキャンバー方向へ大きく調整が効きます。

反対に付けると逆の現象が起き、ポジティブキャンバー方向に大きく調整が効きます。

 

取り付け前と比べてどっちに調整したいかで、タブの向きを決めればいいと思います。

今回はリヤキャンバーと同じくらい、フロントキャンバーを寝かせたいとの事ですので、ネガティブキャンバーへ調整代を大きく取ります。

 

 

このメーカーの製品のいい所はボルト頭の「SPC」ロゴ上部の△マークの向きで、カム位置がわかる様になってます。

※画像の位置では大体ですが中立位置になってます

安価なメーカーはこの様な処理は無いので、マーカーペン等でマーキングする必要があります。

やっぱりAMTECSはアライメントに特化したメーカーなだけはありますね。

 

 

取り付けはボルトの入れ替えなので簡単に完了です。

と言ってもタブ付きワッシャーを組み込むのは多少の慣れは必要かなｗ

 

取り付けの注意点はいくつかありますが、一番大きな所は締め付けトルクです。

工具サイズが小さくなっており、ボルト径が純正より細くなっています。

※細くしないと調整が効かないので仕方ありません

 

なので、締め過ぎると簡単に折れると思いますｗｗ

最大締め付けトルク以下且つ、走行中に緩まない程度で締め付けるのがポイントですね。

という事で、締め付け規定トルクは「走行中に取れないN･m」ですｗｗ

 

そしてここからがキャンバーボルトの真価を発揮する時です。

少し車を動かしてキャンバー調整、いえアライメント調整です。

ストラット車でキャンバー調整するとトーもかなりズレるので、目検でキャンバー調整するよりもアライメント調整した方が確実です。

 

なので、まずはキャンバーボルトでキャンバー調整しつつ・・・

※アライメントのセンサーを付けてしっかり調整してます

 

 

アライメントの標準調整箇所のタイロッドで、トータルトーとステアリングセンターを調整します。

トーを調整するとキャンバーも微妙に変化するので、キャンバーボルトとタイロッドの調整を希望の数値になる様に微調整を繰り返します。

 

 

勿論ですが画像に映ってない反対側も同じ作業をしますｗｗ

この調整繰り返し時もキャンバーボルトの締め付けは、「走行中に取れないN･m」を遵守しますよｗ

 

調整が終わったら試走です。

キャンバーを寝かせましたが、ブレーキングやコーナリングで干渉する事もなかったので、作業はこれにて終了です。

 

 

アライメントの標準調整可能個所は車種によりバラバラです。

調整範囲を広げたい場合は、キャンバーボルト等の構造変更不要の社外パーツや、要構造変更箇所が大半の全長調整式の社外コントロールアーム等で、アライメント調整箇所の拡張をお勧めします。

 

アライメント調整はコクピットさつま貝塚までお気軽に御相談下さい。

TEL:072-432-1818