匠に聞く 冬のメンテナンス

匠に聞く 冬のメンテナンス

降雪や凍結だけでなく気温の低下が大きな影響を与えるウインターシーズンに、クルマで快適に移動するためにはどんなことに気をつけたらいいのだろうか。北海道・東北地区に店舗を構えるコクピットで、クルマのメンテナンスからカスタマイズまで幅広く携わる3人に話を聞いた。

優れた性能のスタッドレスタイヤで
冬の「ヒヤリ」を減らす

スタッドレスタイヤ:経年変化

及川:雪の多い地域ではウインターシーズンにスタッドレスタイヤへの履き替えがあたりまえですが、注意していただきたいのはそのコンディションです。残溝があることも大切だけれど、経年変化でゴムが硬化しますから使用年数をきちんと把握していただきたいですね。

舘:3シーズン使用して交換というのが一般的かと思いますが、グリップ力がより長く持続するBLIZZAKは4シーズン使われる方も多いようです。

及川:柔らかさが保たれているかどうかは、専用の硬度計を用いて確認します。新品とお使いいただいているタイヤの両方をチェックして比べると、交換時期についてご納得いただけますね。残溝も含め、まだ使えるかどうか心配なときは、ぜひご相談ください。

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BLIZZAK VRX2

東谷:スタッドレスタイヤへの履き替えは、余裕を持って早めの交換をおすすめしています。時期によっては履き替えのお客さまが重なり、長時間お待ちいただかなければなりませんし、新品タイヤの場合は慣らし走行をするためにも、ぜひお願いしたいですね。

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BLIZZAK VRX2

舘:雪道で怖いのは、“とけて、凍って”を繰り返してつるつるの状態になったミラーバーン。そして、雪が溶けはじめて水分を含んでいるときです。こういった路面状況ではスタッドレスタイヤの性能差がはっきりと現れます。BLIZZAKの各モデルに試乗しましたが、氷の上に水膜が張ったような滑りやすい路面でもスムーズにスタートできましたし、カーブではしっかり踏ん張りが利いて大きな進化を感じました。

東谷:同感ですね。またBLIZZAKは、コシがあるというかしっかりした剛性感が印象的。乾燥路面を走行しても夏タイヤに近い感覚で乗れました。

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スタッドレスタイヤは
ホイールセットで用意するのが賢い

ECO FORME CRS

及川:スタッドレスタイヤに交換する際、最近は夏タイヤと同じホイールに組み替える方は少なくなりましたね。何シーズンも“組んで、外して”を繰り返すと、タイヤが傷みやすくなります。ですからスタッドレスタイヤはホイールとセットでの交換をおすすめしています。

舘:冬用としてホイールとセットで購入される場合に人気なのが、ECO FORMEの防錆性能を強化したモデルです。融雪剤をたくさん使用する地域でも錆びにくく丈夫で、スタッドレスタイヤにぴったりだと思います。

コクピット福島:東谷尚樹 マネージャー

及川:また交換時には、純正ホイールへスタッドレスタイヤを組み込み、夏用はお好みのアルミホイールをチョイスしインチアップされるお客さまもいらっしゃいます。クロス交換とかクロス履き替えなどと呼んでいますが、ドレスアップを楽しみたい方に好評ですね。

東谷:そして、スタッドレスタイヤのホイールセットを用意しておけば、履き替えがスムーズに行えますね。また2シーズン目以降も使うときには、タイヤの状態をきちんとチェックし、必要であればローテーションを行います。こうしてしっかり準備しても、忘れてはいけないのが定期的な空気圧の点検です。とくに気温が下がると空気圧も変化しますので、コクピットの無料点検をご利用ください。

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運転のしやすさや安心感を高める
アライメント調整

アライメント測定・調整

東谷:スタッドレスタイヤへの履き替えのタイミングでおすすめしているのが、タイヤの接地角度を最適に整えるアライメント測定・調整です。アライメントがずれていると、せっかく高性能なスタッドレスタイヤを装着しても片減りを起こしてしまうこともありもったいない。ただタイヤ交換で混雑する繁忙期は同時作業が難しい場合、時期を少し前後させることもあります。

舘:雪が積もった路面では、アライメントが狂っているとクルマがまっすぐ走らなかったり滑りやすかったりと、不具合をより実感しやすいんです。スタッドレスタイヤの走行性能をしっかりと発揮させるために、タイヤ交換に合わせてアライメント調整を行っていただきたいですね。

コクピットモリオカ:及川由幸 店長

及川:夏場はお客さまのご要望に応じてサーキット走行など使用状況に合わせたセッティングを行うこともありますが、ウインターシーズンは普段クルマを運転する際、より安全に走行できるよう基準値に沿った調整が基本となります。

東谷:特別に冬の路面に合わせたセッティングをするというわけではありませんが、車両の状態を最適に調整することで、運転のしやすさや安心感を高められるのはもちろん、スタッドレスタイヤの性能もしっかりと発揮できるわけです。片減りなども防げますから、タイヤを長持ちさせることにも繋がります。

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降雪が多い地区で必要な“冬支度”とは?

雪路走行のための車高調整

冬ならでは足回り作業の一例をご紹介。降雪が多い地域では、車高調キットを装着しているクルマのスタッドレスタイヤの装着と合わせて車高を上げる作業を行う。これはローダウンしたままだと積雪で走行に支障が出るからだ。まずは、足回りの汚れを落として、車高調のネジを回し車高をアップ。基本的にはノーマルと同じ車高に設定するユーザーが多いとのこと。「パーツの状況や走り方に応じてその都度相談します」と舘店長。最後にネジ部の固着を防ぐ防錆剤を塗っておくことも大切だ。降雪地区は融雪剤の影響で、足回りがサビやすくなる。春になればまたもとに戻すわけだが、コンディション維持と次回の作業効率も考慮して、スタイルコクピットフィールではこのような対策を独自で行っているそうだ。

スタッドレスタイヤの装着
車高を変えるなど、足回りへ手を加えたときにアライメント調整は必須。スタッドレスタイヤの装着だけでも、直進安定性を高めるためにアライメント調整は欠かせない。

雪道を快適に走るために
こんなところにも気を配りたい

防錆コーティング

舘:足回り関連を中心に冬のメンテナンスについて触れてきましたが、クルマのコンディションに気を配るという点では、防錆コーティングも有効だと思います。下回りの錆の発生を抑えることができますが、コクピットの防錆コーティングはこれまで防錆処理が難しかったマフラーにも施工できるところがいいですね。

融雪剤にお悩みなら

クルマの定期的なメンテナンス

東谷:クルマの定期的なメンテナンスについて、夏と冬で違いがあるのはエンジンオイルでしょうか。コクピット福島にはスポーツ走行を楽しまれるお客さまがたくさんいらっしゃいますが、粘度が硬めのオイルを使われているので、冬場は始動性を考慮して柔らかめのタイプに交換することが多いですね。また、クーラントを温まりやすいものに交換する場合もあります。

及川:走行中のリスクを減らすということを考えると、雪が降っているときには視界をしっかり確保することがとても重要です。そのためにフロントウインドーに吹きつける雪をしっかり掃くことができるスノーブレードを装着したいですね。非降雪地の方でも、スキー場へよく行かれる場合は交換をおすすめします。降雪地ではスタッドレスと同じように交換があたりまえです。また、ウインドー全面やドアミラーにガラスコーティングをしておくと凍結しにくくなり、凍っても溶けやすくなりますよ。

スタイルコクピットフィール:舘 一臣 店長

舘:気温が低下すると、突然のトラブルに見舞われやすいのがバッテリー。以前はイグニッションキーを捻ったときに、その反応から「あれっ、バッテリーが弱っているかな」と感じ取れましたが、最近はプッシュボタンでエンジンスタートさせるクルマが多いのでわかりづらいんです。専用のテスターで確認すれば、交換が必要かどうか判断できます。

冬場に車高を上げることを想定したパーツ選びも必要

及川:冬道、雪道を快適に走るために気をつけていただきたいことはたくさんありますが、運転に関しては“急”のつく操作をできるだけしないことです。そんなふうに心がけていても、降雪地では「あとほんの数センチでぶつかっていた」なんていう経験をされている方がたくさんいらっしゃいます。ですからスタッドレスタイヤをはじめ、しっかり準備をすることがとても大切だと思います。コクピットでそのお手伝いをさせていただきますので、ぜひご相談ください。

各店舗の情報については

スタイルコクピットフィール:舘 一臣 店長

輸入車に長年携わってきた実績を持ち、オーナーから絶大な信頼を得る。愛車レクサスIS-Fで得たノウハウもフィードバック。

コクピットモリオカ:及川由幸 店長

常にスタッフの先頭に立って作業をこなし、オーナーとのコミュニケーションを大切にする。アライメントに関する造詣も深い。

コクピット福島:東谷尚樹 マネージャー

オーディオ担当として経験を積み、現在はさまざまな作業に深く精通する。HPも担当し、興味深い作業記事を発信している。

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