KIZUNA STORIES

将来をも見据えた最良のカスタマイズを施すために、お客さまにとって大事なものが何かを正しく見極める。

将来をも見据えた最良のカスタマイズを施すために、
お客さまにとって大事なものが何かを正しく見極める。

コクピット55

 それはまったくの偶然。いまはGR86の走りを楽しむ山本教之さんは、30代の終わりにふらりとコクピット55に立ち寄った。当時の愛車、初代フィットのマフラーを交換したいとお店を探していたのだが、初めて訪れたコクピット55には、その後カスタマイズの良き相談相手となる朝子 誠店長の姿があった。
 じつは朝子さんが以前勤めていたショップで、ふたりはすでに面識があった。朝子さんの退職後、会う機会はなかったが、この再会が山本さんのクルマ趣味に大きな影響を与えることになる。

 以来、山本さんは20年以上にわたりコクピット55に足繁く通う。フィットからチャンピオンイエローのZC32Sスイフトスポーツへ乗り換えると、FFスポーツの走りを磨き上げるべく、足回りを中心にカスタムを施した。
 スペシャルオーダーでハード仕様に変更した車高調 CUSCO ZERO-3Sを装着し、タイヤ・ホイールはPOTENZA RE-71RSとProdrive GC-05Nをセット。さらにR'Sの強化ロアアームやサスペンションプラスのスプリングなども組み合わせ、ほかにもボディ補強を徹底し、ブレーキ、駆動系、ECUチューンにも手を染める。走りを楽しむコンパクトハッチの完成形、手放す直前にはそんなスイスポに進化していた。

操る楽しさを求め、こだわりを込めた硬派な自分仕様

操る楽しさを求め、こだわりを込めた硬派な自分仕様

 思い入れのあるスイフトスポーツだったが、クルマ好きの琴線に触れるスポーツカーがデビューしたのを機に、山本さんは新たな相棒を手に入れる。トヨタGR86である。スイフトスポーツを購入するときにも、発売されたばかりのトヨタ86が気になっていたが、山本さんはFFコンパクトスポーツを選んだ。GR86は発売直後に試乗するとずっと印象が良かったそうで、すぐに購入を決断した。
 そして新しいクルマがやってくるとなれば、さっそくカスタマイズの相談が始まる。足回り、LSD、タイヤ・ホイール、排気系といった王道アイテムを中心にセレクトが決まり、2022年10月に納車されると山本さんはクルマとともにコクピット55へ直行。GR86カスタムの、はじめの一歩を踏み出す。

 通勤快速でもある山本さんのGR86は、毎日のようにステアリングを握り、お休みには奥様を助手席に乗せて遠出もする日常において欠かせない存在。つまり山本さんのGR86はファーストカーなのだが、“走りを楽しむ”という一点にフォーカスして、妥協のないカスタマイズが施されていることに驚かされる。
 再び好みに合わせて“硬めに”オーダーした車高調はCUSCO SPORT S。POTENZA RE-71RSに組み合わせたVOLK RACING TE37 SAGA S-plusは、ダイヤモンドダークガンメタをチョイスし、ブライトブルーⅡのボディカラーとの相性も抜群だが、選んだ理由はその剛性感の高さだったという。唯一、快適さのためにあるのは、奥様のことを思い助手席にセットしたRECARO LX-Fだけかもしれない。

FRスポーツを素材に新たなスタートを切ったクルマ趣味

FRスポーツを素材に新たなスタートを切ったクルマ趣味

 山本さんのこだわりは、とくにクルマ全体から感じられるしっかり感や、シャープで繊細な乗り味の追求にある。各カスタムパーツは朝子さんと相談して選ぶことが多いそうだが、GR86に装着したTE37 SAGA S-plusに限って、「ホイールはゼッタイこれ」と決めていたという。
 さらなる高強度化を実現したアップデートモデルは、ボディ剛性の高さが印象に残るGR86にぴったりだと山本さん。POTENZA RE-71RSの優れたグリップ力を引き出し、コントロール性能の高さを味方につけて走りを満喫するためにも、このホイールが欠かせなかったと話す。

 山本さんは18歳で普通自動車免許を取得後も、モーターサイクルの走りを楽しんでいたこともあって、初めてクルマを購入したのは22歳のとき。手に入れたのはAE85 スプリンタートレノだった。その後、AE86、ジェミニ イルムシャーR、初代プリメーラ、初代フィット、Z32Sスイフトスポーツと乗り継ぎ、現在のGR86にたどりつく。
 テンロクFRから4WD×ツインカムターボ、FFセダン、ホットハッチと多彩な顔ぶれだが、どのクルマも走らせて楽しいスポーツモデルという点で共通している。山本さんにとって、クルマは自ら操り、走りを楽しむものなのである。カスタマイズにおいても、その方向性に揺るぎがないのだが、それを支えているのが山本さんの要望を奥深い部分に隠れたニュアンスまでくみ取り、クルマを仕上げる朝子さんの存在である。

ヒントはお客さまとのコミュニケーションのなかにある

ヒントはお客さまとのコミュニケーションのなかにある

 クルマのカスタマイズは人それぞれ。例えばRECAROシートを装着する場合には、お客さまのドライビングポジションや体型に合わせて、きめ細かく取り付け位置を調整する。同じシートを選んだとしても、ポジションは乗り手によって千差万別。そして、パーツ選びや足回りのセッティングについても同じことが言えると朝子さんは話す。
 お客さまは何を求めパーツを交換したいのか、どんなクルマの使い方・走り方をするのか、乗り味の好みは? 雑談混じりでもいい、さまざまな角度から話をするなかで得た情報を整理して、培ってきたノウハウと豊富な経験をもとに、お客さまの愛車に新しい魅力を添える。それを喜んでもらえることが、朝子さんはいちばん大事だと考えている。

 もうひとつ、朝子さんにはお客さまのカスタマイズを担当する上で、常に心に留めていることがある。それは、いまのベストだけを考えて仕上げるのではなく、以降も盛り込んだパーツを活かしつつ、新たなモディファイへ柔軟に対応できるようなチョイスをすることだ。拡張性を持ったクルマづくりとでも言うべきか。そこには、カスタマイズを積み重ねていくなかで、高価格なアイテムの買い換えの必要性が生まれ、お客さまの負担が膨らむことは可能な限り避けたい。そんな思いが込められている。
 さて、お話をうかがっている間にも、ふたりは新たなパーツ装着の話で盛り上がった。次は摩耗が進んだRE-71RSの交換、そしてクラッチとブレーキキャリパーが候補らしい。GR86のカスタマイズはまだ始まったばかり。山本さんの理想をカタチにするため、朝子さんはこれからも最良の選択をしてゆくに違いない。

page top

FacebookもチェックCOCKPITオフィシャルFacebookアカウント

InstagramもチェックCOCKPIT・タイヤ館オフィシャルInstagramアカウント