TOYOTA GR86 コクピット55

強烈なインパクトとパフォーマンスを兼ね備えたこだわりのカスタム
新たなクルマの魅力を引き出す、素敵なカスタマイズが施された好例を目にすると、なんとも心が躍る。こうしなければならないという決まり事や定番の手法に縛られず、オーナーがこだわり抜いたお気に入りの一台に仕上げられていれば、きっと満足度は高いだろうし、個性も際立つのである。そこにカスタムパーツチョイスの妙があるのだろうが、こちらのトヨタGR86も、選りすぐりのハイパフォーマンスパーツを盛り込むことで、ため息が出るほどの魅力に満ちている。トラディショナルな5本スポークデザインなのに、このホイールにしか発せられないような存在感を醸し出す、ADVAN Racing GT BEYONDがホワイトボディに精悍さをプラスしているが、POTENZA Adrenalin RE003とともに軽快な走りにも貢献する重要なアイテムと言えるだろう。けれどさらに圧倒され、視線釘付けになったのは、その奥で主張するブレーキシステムだ。これは、bremboがGR86専用品として限定20台分のみ用意した、超スペシャルなブレーキキット「brembo GT KIT for GR86」である。キャリパーはフロントがモノブロック6POTで、ブレーキローターは355×32mmの2ピース。そしてリアはモノブロック4POTで、ローターは345×28mmの2ピースという構成だ。そんなビッグキャリパーを絶妙なクリアランスでかわすホイールとの組み合わせは、ある意味カスタマイズの醍醐味を感じさせるもの。見た目のカッコ良さは言うに及ばず、強烈なストッピングパワーを手に入れることができるのがブレーキチューンの主目的だから、走りも痛快さを増すに違いない。さらにスポーツカーならではの乗り味を支えるサスペンションキットにも注目。上質な乗り心地と楽しめる操縦性能を高いレベルで両立したハイエンド車高調、KW V3を装着した。オールラウンドに気持ちよく乗りこなすには、これもまたじつに惹かれるチョイスだ。GR純正エアロにTOM'Sオーバーフェンダーを組み合わせた印象的なエクステリアのGR86は、まさに逸品と呼ぶにふさわしいカスタムパーツで彩られているのである。


DETAILS
匠の技
TIRE & WHEEL

5スポークの鍛造1ピースホイールが
走りへのこだわりを強く主張する
POTENZA Adrenalin RE003に組み合わせたホイールは、ADVAN Racing GT BEYOND。カラーはマシニング&レーシングハイパーブラックで、上品さと精悍さが融け合ったようなガンメタ系カラーに、リムの切削加工を組み合わせている。大型化するブレーキシステムに対応したバレルリム形状を採用しているため、bremboのキットも余裕でクリアする。

GR86にはスポーツホイールの選択が王道。力強さを感じさせるスポークデザインがよく似合う。とは言え、ドレスアップ系のデザインが与えられたホイールで魅せるのも新鮮。チョイスはお好み次第だろう。同色系でまとめたホイールとブレーキキットの組み合わせに、まるで浮き出るように見える真っ赤なBremboの文字が鮮やか。ホイールナットはADVAN Racingナットを用い、よりレーシーな装いにまとめた。
FOOTWORK

しなやかで快適な乗り味で魅了する
KW V3 車高調で美しくローダウン
車高調はドイツ製のKW V3をチョイス。ロッドの先端で伸び側16段の減衰力調整を行い、ダンパー下側のダイヤルで縮み側12段の減衰力調整ができる減衰力2WAY調整式ダンパーを採用。街乗りからサーキットまで幅広い走行シーンに対応し、特に快適性に定評のある車高調だ。KWは輸入車用というイメージが強いが、近年は国産車用のラインアップも増えている。

耐久性と強度に優れたステンレスケース”inox-line”を採用しているのもKWサスペンションキットの特徴。リア側のロアアームはキャンバー調整が可能なCUSCO ラテラルロッド リヤを組み合わせた。このほか前後ともにスタビライザーをCUSCO製の強化タイプに交換。乗り心地を損ねることなく、ロール剛性を高めている。
BRAKE SYSTEM

制度力アップはもちろんのこと
見た目のインパクトも圧倒的
わずか20台限定で販売されたGR86専用のキャリパーキット、brembo GT KIT for GR86を取り付け、強力なストッピングパワーを手に入れた。フロントキャリパーはモノブロック、6POTのMタイプで、ブレーキローターは355×32mmの2ピースタイプの組み合わせとなる。またローターはドリルドタイプも選べたが、あえてスリットタイプをチョイスした。

リアはキャリパーがモノブロック 4POTのPタイプで、リア用としては破格のボリューム感。ローターは345×28mmの2ピースタイプ。こちらもローターはスリットタイプとなる。ブレーキパッドは、街乗りメインということもあり、オプションで用意された低ダストパッドを組み合わせている。
REINFORCEMENT

フロント、リアのバランスを考慮し
ボディのしっかり感を緻密にアップ
ヤマハが開発を行いさまざまなブランドで販売されているパフォーマンスダンパーは、ダンパーの減衰効果により路面からの微振動などを吸収し、ステアリングフィールの向上、フワフワ感やゴツゴツ感が抑えられることによる乗り心地の向上などをもたらすアイテム。GR86用はTRDよりリリースされており、純正補強バーと交換するかたちで取り付ける。

CUSCOのパワーブレースは、ボディ補強の定番と言えるアイテムで、各車種にさまざまな設定がある。こちらのGR86は、その中からパワーブレース フロントロワアームプラスを装着。フロントメンバー前端とロワアームの連結部剛性を向上することで、アライメント変化を抑制するパワーブレース フロントロワアームをバーで連結。フロントメンバー前端の剛性をさらにアップする。
ENGINE ROOM

エンジンフィール向上を後押しする
きめ細かなパーツ投入で見た目もアップ
お気に入りのパーツを数多く装着したエンジンルーム。最もアイキャッチなのは、吸入空気温度を適正にコントロールし、鋭い吸気レスポンスを実現するBLITZ カーボンインテークシステム。巧みなカーボン形成技術によりエンジンルームにフィットするカーボンダクト&ケースを採用した高性能インテークシステムは存在感抜群。

点火エネルギーの増大により燃焼効率を向上さるオカダプロジェクツ プラズマダイレクトのほか、オイルを確実にろ過しながらオイルの循環を妨げることなく安定したオイル流量を保つことができるステンレスマイクロメッシュフィルター採用のMAX ORIDO ハイパフォーマンス オイルフィルター、同じくMAX ORIDOのスロットルコントローラー、さらにLifePO4 テクノロジーと用いたSHORAIバッテリーなどを装着。
EXHAUST SYSTEM

マフラーとエキゾーストマニホールドを
交換することでトータルチューンを実現
4本出しのGRスポーツマフラーを装着することで、よりアグレッシブなリアビューを実現したGR86。4本出しによるスタイリングの向上だけでなく、エキゾーストノートに対するこだわりが強く込められたマフラーだ。不快なこもり音がなく、アクセルを踏み込んだときにリニアに吹き上がること。そして高回転域においては、走り続けたくなるような乾いた高音サウンドを目指したという。

GRスポーツマフラーには、HKS SUPER MANIFOLD with CATALYZER GT-SPECを組み合わせた。パイプ径・レイアウトの最適化により、出力向上を図ったエキゾーストマニホールドと、高効率のメタルキャタライザーを組み合わせている。高回転域まで胸のすくレブフィールを味わえると、GR86/BRZオーナーから絶大な支持を得ているチューニングアイテムだ。
EXTERIOR

華やかさ増すGR空力パッケージⅡに
TOM'Sオーバーフェンダーをプラス
GR空力パッケージⅡでエクステリアを飾ったGR86が、まず最初に行ったカスタマイズはTOM'S オーバーフェンダーの取り付け。車検に対応する片側8mm増の商品で、4ヵ所のホイールアーチへの取り付けは、それそれ2点のネジ止めと両面テープを用いるタイプだ。しかしGRのボディパーツには対応していなかったため、装着には加工が必要となった。それでもミックスエアロとは思えぬ美しい仕上がり。ワイド感が強調され、迫力も増している。

アグレッシブな表情のフロントフェイス、リヤタイヤ前面をカバーすることでボディ側面を整流する機能を持たせたボリュームのあるサイドスカート、4本出しGRスポーツマフラーにジャストフィットするリヤバンパースポイラー、スタビライジング効果を向上させるエアロルーフフィン、ダックテールデザインを強調するトランクスポイラー等で構成されるGR空力パッケージⅡを装着したGR86。それだけでも見た目の印象がより精悍さを増しているのだが、それにプラスしたTOM'Sオーバーフェンダーでアグレッシブに変身。
INTERIOR

最先端の電装品の取り付けにより
より快適なカーライフを実現
操作系の小粋なカスタムで、走る楽しさを演出。アクシスパーツ ドライカーボン仕様 パドルシフトカバーを取り付けた。快適なドライブをバックアップするアイテムの装着についても抜かりはない。MSSSに対応したレーザー&レーダー探知機、ユピテル指定店モデル Z1100をインストール。そして、年を追うごとに装着事例が増えているデジタルインナーミラー。ドライブレコーダー機能付きのセルスターCS-1000SMをセット。高画質カメラの採用により広く見やすい後方の視界を確保。夜間でもクリアに表示できるのも魅力だ。
SPEC
ベース車両 | TOYOTA GR86(ZN8/2022年式) |
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タイヤ | BRIDGESTONE: POTENZA Adrenalin RE004 |
ホイール | YOKOHAMA WHEEL: ADVAN Racing GT BEYOND YOKOHAMA WHEEL: ADVAN Racing NUT |
フットワーク | KW: V3 CUSCO: LATERAL ROD REAR CUSCO: STABILIZER FRONT CUSCO: STABILIZER REAR |
ボディ補強 | CUSCO: POWER BRACE FRONT LOWER ARM PLUS |
オイル・バッテリー | MAX ORIDO: HIGHPERFORMANCE OIL FILTER |
吸排気系 | HKS: SUPER MANIFOLD with CATALYZER GT-SPEC TRD: GRスポーツマフラー BLITZ: CARBON INTAKE SYSTEM |
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電装系 | Yupiteru: Z1100 Yupiteru: OBD12-MⅢ CELLSTER: CS-1000SM OKADA PROJECTS: Plasma Direct SHORAI: LiFeP04 BATTERY MAX ORIDO: 感度MAX GR86 |
インテリア | AXIS PARTS: PADDLE SHIFT COVER |
その他 | brembo: GT KIT for GR86 CUSCO: HYBRID DEFF |