2017年6月19日
先日こんなお電話がありました。
お客様「あの~、フィットのキャンバーとトーを細かくアライメント調整して欲しいんですけど」
スタッフ「大丈夫ですよ。それなら事前に詳しい打ち合わせをしたいのですが、ご来店は可能ですか?」
お客様「いや~・・・・・その~・・・・・、来店時にそのまま調整は可能ですか?」
スタッフ「もちろんそれも可能ですが、ちなみにどちらからご来店ですか?」
お客様「姫路ですけど(きっぱり!)」
スタッフ「えっ?ひ・ひ・姫路・・・?(少しの間絶句!?)」
てな感じのやりとりがあったんですが、そこからお電話で詳しい打ち合わせをした数日後、
ジャジャーン!なんと3時間以上もかけて当店にご来店いただきました!
まずは装着しているパーツの確認と、現状のご不満点などを詳しく問診すると、
こんな感じのお答えが!
①装着している車高調の乗り心地には満足している
②ハンドルを切った時の反応が悪く、ワンテンポ遅れる感じがある
③ハンドルを切ったときの操舵感が軽い
これらの内容から不満点の原因を検討し、まずは試乗して現状をチェックします。
走り出してみると、確かに乗り心地はすごく良いというか、「良すぎ!」(原因は後ほど)
そしてハンドルはすごく軽く、切ったときの反応も確かに遅れる感じがありました。
そしてなにより、私が運転していて一番気になったポイントは
「運転していて楽しくない!ワクワクしない!」
店頭にあるコクピット35周年のスローガン
「これまでも、これからも
すべてのクルマに“ワクワク”を」
今回もこの気持ちを実践すべく、今までの経験をフルに活かした
「匠アライメント ハイパーマックス」でアライメント作業に挑みます!
まずは現状を理解するために、アライメントの測定から。
「フムフムなるほど!」
測定の結果、なんとなく改善の方向性が分かってきましたよ(^_^)
そんな測定を終えると、まずはオーナーが希望されていたフロントキャンバー調整用偏芯ボルト
「SPC EZカム」の取り付け。
先ほど測定したデータをもとに、簡易キャンバーゲージを使って、
メーカー基準値とは違う、不満点を解消するキャンバー値に仮調整しておきます。
そして一般的にアライメント調整ができないリアの方は、お客様にもご理解いただき
以前取り付けられたという「某パーツ」を取り外し。
詳しくは触れませんが、結果的にリアの動きは激変しました!( ・_・;)
これらの作業を終えると、オーナーに簡単な試乗をしていただき、
2回目となるアライメントの調整。
今度は連動するキャンバー角とトー角を、さらに煮詰めた値に追い込んでいきます。
そして再度試乗していただき、詳しいインプレッションを聞いたうえで、
本日3回目となるアライメント調整。
ここでやっと理想値になったので、今回3回測定したアライメントは全て終了です。
そして最後は、私も試乗しての最終仕上げ。
実は最初に「乗り心地良すぎ!」と言いましたが、装着していた車高調の減衰力を調べてみると
「前後とも最弱」の状態だったんです。
これはご自分で減衰力を調整されている方に多い例なんですが、
メーカー推奨では少し硬く感じるので、
柔らかくする→そして柔らかくする→さらに柔らかくする
そうすると減衰力は最弱になってしまい、直線道路では乗り心地が良いように感じるんですが、
柔らかすぎるので段差を越えた時にクルマの動きが大きくなったり、
ハンドルを切ったときも、クルマが大きく荷重移動してから行きたい方向に動きますので、
ハンドル操作に対して反応が遅くなる傾向にあります。
そこでオーナーにも同乗していただき、最初と比べるとかなり強めの減衰力に再調整。
すると、硬くしたはずなのに結果的には乗り心地も良く、
ハンドルを切ったときの反応もクイックな動きに変化!
同乗していたオーナーも
「以前とは全く別物!理想的な動き、走りになりました!(^.^)」
とかなり満足されている様子でした!(^.^)
ちなみに、今回はたまたまオーナーの理想に近づけましたが、
基本的に製品が持っているスペック以上の性能は、私達でも引き出せません。
ただ、シェフが調理方法やスパイスで素材の良さを100%引き出すように、
足回りパーツの性能を、セッティングやアライメントで可能な限り引き出すことは可能です!
「これまでも、これからも
すべてのクルマに“ワクワク”を」
今回のオーナーがワクワクしながら帰られていたら、それは私達にとって最高の幸せです(^_^)
今回は遠方からのご来店、本当にありがとうございました。
今後とも末永くよろしくお願いいたします。
ちなみに今回のオーナーも「アサブロ」ファンの一人でした!(^.^)