2016年6月28日
今日はいつもよりもちょっと濃い作業のご紹介を。。。
鈴鹿サーキットやスパ西浦モーターパークを主に走行される、某日産車にお乗りの方の足回りセッティング作業でした。
車高調やピロアーム(構造変更登録済)、前後スタビなどなど一通り押さえるべきポイントは交換済みなのですが、どうも最近タイムが伸びない。。。という事で、長いスパンで調整を行いました。
昨年から走行直後にタイヤの温度の測定と内圧の変化などを記録して頂くようにし、タイヤの減り方などを観察してみて、足回りの動き方の足りない部分とやり過ぎな部分が見えてきました。
今回はお客様の乗り方と車輌の特性(馬力は400近い)と実際の足回りの調整幅を考慮して、試乗→調整→数値測定を数回繰り返し、お客様の納得のいく動きをするお車に仕上がりました。
細かい説明は割愛しますが、画像3枚目の様に数値化することでネガな部分が洗い出せ、その数字と走行フィーリングと照らし合わせる事で、伸びシロのある要素とロスしている部分が見えてきます。
今回の場合はフロントのストローク不足と、前後のロール特性の違いが、コーナーリング性能と操作フィーリングの不満点の原因でした。
最後はお客様に走行フィーリングを伺い、サーキット走行後時のデータなどをもとにアライメントの数値を決めました。
コーナーリング中の最大のロール量はスプリングレートとタイヤグリップのバランスで決まりますし、ロールのスピードは減衰抵抗や前後の重量差、足回りの構造の違いから差がでます。
コーナー初期、ステアリング操作のし始めは、フロントタイヤのグリップ(接地圧)がいかにスムーズに立ち上がり、進行方向に向きを変えられる(ヨーモーメントの発生)かがキモです。
コーナー中盤以降は、適度にピッチング(リアの沈み混み)が起こることで旋回性とリアのトラクション確保が実現できます。
人によって車両の姿勢変化量が多い方が好みか、少ない方が好みかわかれますが、間違いなくいえる事はロールを殺し過ぎると車は曲がらなくなり、しかも不安定な挙動になります。
4輪のタイヤ接地圧が途切れないように、バランスよく分布させるには車両のロールとピッチングと前後重量バランスが大切です。
車高調や足回りパーツを交換したのにどうも気持ち良く車が動いてくれない。。。
という方は “どこかやり過ぎていないか” “何か足りないのか” “バランスを崩していないか”を明確にして、チューニングしていくことをオススメします。
チューニングって調律って意味なんですよね。パーツを取付けしただけでは完成ではないんです!
普段あまり紹介しないのですが、サーキット走行車や競技車のセッティングなども承っておりますので、気になる事がございましたらご相談下さいませ♪