KIZUNA STORIES

30年に及ぶお付き合いが生んだ信頼関係
コクピット モリオカ

 小林忠次さんが初めてコクピットモリオカを訪れたのは、16歳の高校生の頃。お父様に連れられて来店したその時以来、早30年のお付き合いになるそうだ。昭和58年の開店当初から在籍している及川店長とはもちろん旧知の仲だが、それ以外の従業員の方々よりも長い「在店歴」が密かな自慢。及川店長は「スタッドレスタイヤの履き替えシーズンなど、繁忙期には手の空かないスタッフの代わりにコーヒーを出してくれたり、待ち時間の長いお客様の話し相手になってくれたりするんですよ(笑)。当店には小林さん以外にもそういった常連さんが何人かいらっしゃって、お客様同士のつながりも強いと思います。とてもありがたいですね」と笑う。

 これまで自分の年の数より多い台数のクルマを乗り継いできた小林さん。及川店長には、クルマを購入する前から「そもそも、そのクルマを買うのがアリかどうか」「購入後にこういったカスタマイズが可能か?」といったことを必ず相談するそうだ。これまで一度もノーマルのままクルマに乗ったことがなく、納車される頃には、注文しておいた部品がコクピットモリオカに納品されているのが当たり前なのだという。

人それぞれの好みや用途を踏まえてアドバイス

 及川店長は小林さんが車両を購入する前からカスタマイズの完成形を予想し、その上で的確なアドバイスができるよう心がけている。例えばアライメント調整など、目には見えないけれど、乗ったらすぐに違いがわかる部分に関しては、そのクルマの調整可能範囲や、できることやできないことを下調べすることも重要。それもすべて、小林さんの好みを熟知しているからこそだ。小林さんが本格的にカスタマイズをスタートさせたのは、20代の頃に購入したR31の日産スカイラインGTSから。それ以来、サーキットを主戦場としたR32からR34までの歴代スカイラインGT-R、オーディオをフルチューンして楽しんだBMW325i、趣味であるスノーモービルを牽引するのに重宝したメルセデス・ベンツ ML55AMGなど、思い出深いカスタマイズカーがたくさん存在する。

 及川店長は当時を振り返りながら語る。「昔はカスタマイズ自体がほとんど世間に認知されていませんでしたし、情報もすごく限られていましたから、なにかと大変なこともありました。ときには小林さんに『実験台』になってもらったこともありましたしね(笑)」。それでもお互いに「まあ、やってみっか」というノリで積み重ねてきたプロセスが、両者を結ぶ信頼関係=キズナとなっている。

お店全体に浸透したお客様への真摯な姿勢

 小林さんの現在の愛車は、フェラーリのF430スパイダー。フェラーリに特別な思い入れがあったわけではないそうだが、「どうせフェラーリが1台買えるくらいカスタマイズに費やすんだから、最初からフェラーリを買ってみたら」という周囲からの勧め(?)に従ったのがきっかけだと、小林さんは言う。もちろんこちらも購入の前からコクピットモリオカに相談し、自分好みのカスタマイズを施している最中。最近は及川店長に代わってカスタマイズを担当するチーフの菅さんにも話をうかがった。

「小林さんとのお付き合いはR32のGT-Rからになりますので、ご要望やこだわりの深さは十分に理解しています。特に高速での直進安定性には強いこだわりをお持ちですので、アライメント調整や車高調整のノウハウでお応えしています。お好みの乗り味を実現するためには現車での合わせ込みとテスト走行の繰り返しが大事になってきます。細かいことにも手を抜かず、丁寧な作業を心がけています」と語る菅さん。お客様が理想とするスタイルに仕上げ、笑顔でありがとうと言われるとき、この仕事のやりがいを感じるそうだ。菅さんのようなスタッフの方々がたくさんいるところも、コクピットモリオカが多くのお客様から愛されている由縁である。

価値観を共有できるお客様の社交場

「価値観を共有できる人たちが集まりますので、お客さん同士も自然と話が合うんでしょうね。それぞれの家庭や職場では変なヒト扱いされちゃうけど、ここに来たらクルマ好きとしての自分を前面に出せますから(笑)」と及川店長。それは小林さんも同意するところだそうだ。

「ほかではやってないことをやってくれるのが、このお店のいいところ。マニアというのは人がやっていないことを誰よりも先にやりたいものですからね(笑)。もちろん、どんなにやってみたくても要望に合わない時や期待される効果が望めない時は『やめた方がいい』とハッキリ言われます。さっき実験台っていう話が出ましたけど、及川店長だって自分のクルマで色々と試してみて、結果が良かったものだけを我々にフィードバックしてくれます。そういう部分を知っているからこそ、お客もお店を信頼して自分のクルマを提供するし、いろいろなオーダーをするわけですよね。そうするとお店にノウハウが蓄積されて、それがまた自分にいい形で返ってくる。そんな感じで好循環が生まれているから、自然とクルマ好きが集まってくるんじゃないでしょうか」とのこと。

信頼しているからこそ自信を持って紹介できるお店

 続けて小林さんは、コクピットモリオカの魅力について、こうも語ってくれた。「実際にお客さんがお客さんを連れてきているケースが多いんじゃないですかね。紹介した先がダメだったら自分の顔が潰れるわけですから、ちゃんと信頼がおけると納得できたお店でなければ、誰も友人や知人を紹介しないと思うんですよ。今の時代は情報だけだったらインターネットで手軽に手に入りますけど、それにどれだけの信憑性があるのかって、やっぱり経験しなければわからないですよね。僕らはクルマは好きでも、決して専門知識があるわけではないですから、そこはもう経験値の高いところを信用するしかないわけで。その点、僕はいろいろなカスタマイズをともにしてきたコクピットモリオカを信頼していますし、ほかの常連仲間もきっと同じようなことを感じているんじゃないかと思います」

 お店とは人と人の繋がりそのもの。コクピットモリオカと小林さん、そしてすべてのお客様にとって、これからどんなキズナストーリーが刻まれていくのか、楽しみは尽きない。