NISSAN SKYLINER33GT-R

コクピットF-1

NISSAN SKYLINE GT-R

しなやかな乗り味にこだわった“4ドアセダン”のR33GT-R

1969年2月に幕を開けたスカイラインGT-Rの輝かしい歴史を振り返ると、そこには5つの世代が高性能スポーツの血統を受け継いできたことがわかる。そのうち標準モデルとしては初代の前期型(PGC10)のみが4ドアセダンで、以降は2ドアハードトップだった。しかし、3代目となるBCNR33(1995〜1998年)には、注文生産の形をとりオーテックによって特別に仕立てられた“4ドアのGT-R”が存在する。それが、ここに紹介する“スカイラインGT-Rオーテックバージョン 40thアニバーサリー”である。スカイラインの生誕40周年を記念して’97年の東京モーターショーでベールを脱ぎ、同年12月に正式発売。最終的には422台のみが生産された。

オーナーの松本孝一郎さんは、そんな希少車を発売されるとすぐに手に入れ、以来長年にわたり手許に置いてきた生粋のクルマ好きだ。2ドア33GT-Rと変わらぬRB26DETTユニットにハードチューンを施し、よりいっそうのハイパワーを追求したこともあったが、2年前に徹底的なリフレッシュを行う。そうしてオリジナルスペックを基本に気になる部分にきめ細かく手を加えることで、本来の魅力をさらに際立たせている。リフレッシュ作業を手がけたコクピットF-1の田尻店長によれば、エンジンやトランスミッションのオーバーホールはもちろんのこと、剛性アップを狙ったボディ補強など見えない部分にも手を加え、オーナーの繊細な感性に応える乗り味を実現したという。

今回はオーナーこだわりのカスタマイズはもちろんのこと、オーテックバージョンの魅力あふれるディテールもあわせてご覧いただきたい。

NISSAN SKYLINE GT-R
NISSAN SKYLINE GT-R

DETAILS

匠の技

TIRE&WHEEL

NISSAN SKYLINE GT-R:TIRE & WHEEL
POTENZAで引き出す
33GT-Rの優れた総合性能

4ドアセダンならではの端正なプロポーションを持つ33GT-Rに精悍さを添えているのが、絶妙なホイールチョイスだろう。現在装着しているのは32/33/34GT-Rオーナーには馴染み深いNISMO LM GT4 OMORI FACTORY SPEC(18インチ)。それ以前には、写真の17インチ BBS LMにPOTENZA S001を組み合わせていたこともあった。

NISSAN SKYLINE GT-R:TIRE & WHEEL

レイズ製鍛造1ピース5本スポークのNISMO LM GT4 OMORI FACTORY SPECを装着。サイズは前後とも9.5J×18で、タイヤは265/35R18のPOTENZA RE-11Aをセットする。今後サーキット走行に備えてPOTENZA RE-71Rの投入も予定。

FOOTWORK

NISSAN SKYLINE GT-R:FOOTWORK
オリジナルスペックをベースに
繰り返した繊細なセッティング

足まわりはビルシュタイン製車高調を装着し、NISMOやCUSCOのアーム類も組み合わせている。街中を含めた日常使用を快適にこなすしなやかさを引き出しつつ、サーキットも楽しめる懐の深さを持ったセッティングは、試行錯誤を繰り返しながら実現した。タイヤ空気圧の微妙な違いも感じ取る、オーナーのこだわりが最も反映された部分だ。

NISSAN SKYLINE GT-R:FOOTWORK

①減衰力調整式ビルシュタイン製車高調をセット。②BCNR33 GT-Rはブレーキシステムにもハイスペックパーツが奢られており、ブレンボキャリパーを標準装備する。フロントは4POT、リアは2POT。

REINFORCEMENT

NISSAN SKYLINE GT-R:REINFORCEMENT
COXボディダンパーで
気になる突き上げ感を改善

2年前の大がかりなリフレッシュ作業時には、ボディ各部の補強などボディ剛性アップも行ったが、あわせてNISMOパフォーマンスダンパーを前後セットで取り付けた。フレームの適切なポイントに特殊なダンパーを取り付け、その減衰力機構を利用して走行中の車体の変形を抑え、振動も素早く収束させる。

NISSAN SKYLINE GT-R:REINFORCEMENT

フロントはフロア下部、リアはトランクルーム内に装着。NISMOパフォーマンスダンパーはボディ全体の微振動を抑制する働きを持っており、操縦安定性やドライバビリティの向上、上質な乗り心地をもたらす。

ENGINE

NISSAN SKYLINE GT-R:ENGINE
ターボパワーを活かすために
クーリング性能を追求

エンジンとトランスミッションはオリジナルの魅力をさらに際立たせるため、オーバーホールを行った。基本的にはオリジナルスペックをベースに仕上げたが、サーキットでも楽しく走れるような“味付け”も施されている。またラジエター等の冷却系や過給器のパイピングなどについても最適のパーツをチョイスした。

NISSAN SKYLINE GT-R:ENGINE

① 高ブースト時にも膨張しにくいアルミ製パイピングによりレスポンスアップを実現するHKSインタークーラーパイピングキットを採用。②③ARC製アルミラジエターに交換。④エンジンオーバーホールの際にはインジェクターも交換した。

EXHAUST

NISSAN SKYLINE GT-R:EXHAUST
RB26DETTを楽しむための
適切な排気系チューン

ターボエンジンと言えば排気系チューンが定番となるが、この33GT-Rもきっちり手が入っている。チョイスしたのはGT-R用のエンジンや吸排気系パーツを数多くリリースするREIMAXのオールステンレスマフラー。優れた静粛性と排気効率を両立し、品のよいφ80のダブル出しのマフラーエンドがこのクルマによく似合う。

NISSAN SKYLINE GT-R:EXHAUST

REIMAXオールステンレスマフラーにはナイトスポーツ・メタリット・スーパーキャタライザーを組み合わせた。

EXTERIOR

NISSAN SKYLINE GT-R:EXTERIOR
4ドアセダンボディをベースに
再現したGT-Rならではの凄み

スカイラインGT-Rオーテックバージョン 40thアニバーサリーは、標準ラインアップのR33 4ドアとは異なり、2ドア33GT-Rを彷彿とさせる前後ブリスターフェンダーが与えられているのが特徴だ。ケンメリからR34まで受け継がれる丸4灯のテールレンズは、往年のスカイラインのファンにとってはたまらないディテールだろう。

NISSAN SKYLINE GT-R:EXTERIOR

①リアデッキには2ドアのように大型スポイラーが備わらない。GT-Rのエンブレムはガーニッシュ部ではなくトランクリッド右端に取り付けられる。②SKYLINEのモデルネームの下に、40th ANNIVERSARYのプラークが輝く。③プロジェクターヘッドランプを採用するフロントレンズユニットは新品に交換した。④フロントグリルセンターのエンブレムでもGT-Rであることを主張する。

INTERIOR

NISSAN SKYLINE GT-R:INTERIOR
320km/hまで刻まれた速度計が
さりげなくメーターナセルに収まる

ダッシュボード、インパネ等は2ドアGT-Rのそれと大きく変わらないが、後ろを振り返るとゆとりのある後席スペースが広がっている。ただし、リアシートもバケットタイプとなり乗車定員は4名だ。インテリアのカスタマイズのポイントは、RECAROスポーツスターの装着だが、実はメーターナセルの中にもオーナーのこだわりが込められていた。

NISSAN SKYLINE GT-R:INTERIOR

①運転席、助手席ともに快適性とサポート性を両立した人気のセミバケットシート、RECAROスポーツスター(AN100)に交換。②後席は2名乗車。オーナーの松本さんの息子さんに話を聞くと、子どもの頃はこの後席に収まり、お父様の運転でドライブを楽しんだそうだ。③NISMOのメーターパネルに交換。速度計は320km/hまで回転計は11000rpmまで刻まれる! ④センターコンソールには純正3連メーターが並ぶ。その下はオーディオスペースとなるが、アルパインVIE-X075Bモービル・メディア・ステーションをインストール。

NISSAN SKYLINE GT-R:OWNER

OWNER'S VOICE

松本孝一郎さん(左)、有弘さん(右)、守弘さん(中)

5代目“ジャパン”、6代目“ニューマンスカイライン”とスカイラインを乗り継ぎ、スカイラインGT-Rオーテックバージョン 40thアニバーサリーを購入した松本孝一郎さんは、スカイラインの“走る、曲がる、止まる”にこだわったクルマづくりやドライブフィールが自分の感性に合っているという。二人の息子さんもクルマ好きで、このクルマは次男の守弘さんが受け継ぐことになるそうだ。サーキットも走ってみたいという守弘さん。タイヤチョイスやサスセッティングなど、自分色に染めるカスタマイズも新たに盛り込まれていきそうだ。

SPEC

ベース車両 NISSAN SKYLINE GT-R
AUTECVERSION 40th ANNIVERSARY(1997年式)
タイヤ BRIDGESTONE:
POTENZA RE-11A F:265/35R18、R:265/35R18
ホイール NISMO:LM GT4 OMORI FACTORY SPEC F:18×9.5J、F:18×9.5J
フットワーク BILSTEIN:車高調
エンジン HKS:インタークーラーパイプキット
ARC:アルミラジエター
吸排気系 REIMAX:オールステンレスマフラー
KNIGHT SPORTS:METALIT SUPER CATALYZER
インテリア RECARO:SPORTSTER AN100H
NISMO:METER PANEL
オーディオ ALPINE:VIE-X075Bモービル・メディア・ステーション
その他 NISMO:パフォーマンスダンパー(前後)