HONDAS2000

スタイルコクピットズーム

HONDA S2000

素性のいい走りの魅力を際立たせたオールラウンダー

ホンダS2000は生産を終了してもなお、いまだに根強い人気を誇る2シーターオープンモデルである。それはFRピュアスポーツとして妥協のないパッケージングをはじめ、動力性能はもちろんのこと心揺さぶる走りの楽しさにこだわったクルマづくりが、数多くのクルマ好きから共感を得たからだろう。2008年式 AP2 タイプSを所有する岡田英樹さんもそのひとりだが、本来の魅力をより鮮明にしたカスタマイズを施し、オンロードからサーキットまでさまざまなシーンで自分だけのS2000を堪能している。

けれど、乗り手をオールラウンドに満足させる味付けというのは、なかなか実現するのが難しい。二兎を追うものは……などというように、あれもこれもと欲張りすぎるといい結果を得るには並々ならぬ労力が必要だったりする。スタイルコクピットズームと理想を追求し続けたその過程は、試行錯誤の連続だったそうだ。ダンパーの仕様変更、スプリングのチョイスに始まり、アッパーマウントも前後ピロから後ろだけゴムマウントといった組み合わせまで、何通りの選択肢をトライしたかわからないほどだという。

そうしてたどり着いたひとつの回答が、現在のサスペンションセッティングだった。ローダウンしながらも可能な限りスプリング長を確保することで、しなやかにストロークさせタイヤを接地させる。これがPOTENZA RE-71Rのグリップを余すところなく引き出し、なおかつ相応の快適性を手に入れることにもつながった。

足まわりの作業を担当したスタイルコクピットズームの宮本チーフは、ひとまず満足のゆく結果を得たが、その先のことも考えている。経験とノウハウをさらに積み重ねるなかで、新たな道が見えてくる……。とどまらずに前へ進む気持ちが、S2000をさらに進化させるかもしれない。

HONDA S2000
HONDA S2000

DETAILS

匠の技

FOOTWORK-FRONT

HONDA S2000:FOOTWORK
車高を落とした際の
ネガにきめ細かく対応

車高調は仕様変更を施したオリジナルバージョンのオーリンズDFVを装着し、スプリングはハイパコに変更。ローダウン時に懸念されるバンプステアやステアリングフィールの違和感に対処するためSPOONゼロバンプステアブラケットを組み込むなど、フロント足回り全体にきめ細かい配慮が施されている。

HONDA S2000:FOOTWORK

①フロント側のハイパコ・スプリングのレートは800ポンド(12.5K)。スプリング長は200mm。ショックアブソーバーの減衰力も変更されている。②CSO(Creative Service Ohara)フロントスタビパフォーマンスブラケットは、ローダウンに対応した商品でスタビリティ向上に貢献。③ナックルとロアボールジョイントの間に装着したシルバーのパーツは、キャンバーを標準に対して1度付けることができるCSOフロントネガティブキャンバーアダプター。④ブレーキシステムはDIXCEL FPローターとZONE製 14Bパッドを組み合わせるが、使用状況によってSPOONドリルドローターとプロジェクトミュー製パッドを装着することもある。

FOOTWORK-REAR

HONDA S2000:FOOTWORK
仕様変更を積み重ね
しなやかな動きを実現

もちろんリアもオーリンズDFV車高調をセットし、ストロークを確保できるセッティングを施した。調整式ロアコントロールアームはSPOON製。ちなみにアッパーマウントはフロントが操作性にこだわったピロ、リアは快適性にも配慮したゴム製をチョイス。何度も仕様変更を重ねて、この組み合わせにたどりついた。

HONDA S2000:FOOTWORK

①ハイパコ・スプリングはフロントと同じ200mmで、レートは700ポンド(10.7K)。スプリングのストロークが十分にとられている。②リアもDIXCEL FPローターとZONE製パッド(18E)を装着。

TIRE&WHEEL

HONDA S2000:TIRE & WHEEL
走りを大きく変えた
RE-71Rのグリップ力

日々の使用を難なくこなし、サーキット走行も攻め込める万能型S2000の完成度を高めたのが、スポーツラジアル POTENZA RE-71R。オーナーの岡田さんは、ドライグリップだけでなく、ウェット路面でより安心して走れることにも感心したという。想像以上だった乗り心地と静粛性にも満足。オンロードでも強い味方だ。

HONDA S2000:TIRE & WHEEL

外観にほとんど手を加えていないS2000だが、18インチのSSRプロフェッサーMS1はオーナーこだわりのアイテム。フロント9J、リア10Jをナローフェンダーにきっちり収める。

LINKAGE & REINFORCEMENT

HONDA S2000:LINKAGE & REINFORCEMENT
要所に補強を施すことで
ソリッドな乗り味を実現

足回りだけではない。リフトアップして下回りを確認すると、このクルマのカスタマイズのこだわりようがさまざまな部分から実感できる。シャシーを補強するブレース類、ディファレンシャルの揺れを抑えるダンパーキット、そしていまや定番アイテムのリジカラまで、多彩なアフターパーツでかっちりとした乗り味を生み出している。

HONDA S2000:LINKAGE & REINFORCEMENT

①M&MデフマウントツインフレームストロングダンパーKITは、ディファレンシャルの振動を逃がすダンパーと補強フレームの装着によって振動を軽減。②SPOONリジカラを装着。写真はフロント側だが、ボディとサブフレームをつなぐボルトとボルト穴の隙間をアルミ製のカラーで埋めて剛性をアップさせる。③フロントストラットタワーバーはSPOON製を装着。④ブルーのスチールパイプがCUSCOフロア補強バー。サイドシルに沿って取り付ける左右2本、そしてフロント側横バーをジョイントしボディ剛性を高める。

INTAKE & EXHAUST

HONDA S2000:INTAKE & EXHAUST
的確な吸排気チューンで
F22をさらに気持ちよく

F22Cユニットは大きなモディファイを行っていないが、さらなるレスポンスアップと爽快なレブフィールを実現するために、吸排気系にはバランスのとれたトータルチューンが施された。エンジンルームですぐ目につくのは無限製エアクリーナーボックス、そして排気系も厳選されたパーツでまとめられている。

HONDA S2000:INTAKE & EXHAUST

①無限ハイパフォーマンスエアクリーナー&ボックスは、カーボンファイバー製エアボックスを採用。吸気温度を下げるために吸気口をラジエター前部にレイアウトしている。②エキゾーストマニフォールドは戸田レーシング“トルキークン”をチョイス。③排気効率アップのためにSARDメタルキャタライザーを装着し、CSO SARD触媒整流アダプターも組み合わせた。④複雑な取り回しが目を引くHKS SSMマフラーは音へのこだわりが魅力。⑤高性能ドライバッテリー Deka Sports Powerへ交換。⑥フロントピロアッパーの奥に見えるのはエンジンの振れを抑えるSPOONエンジントルクダンパー。

EXTERIOR

HONDA S2000:EXTERIOR
純正エアロが迫力の
タイプSの姿はそのまま

2007年に追加設定されたS2000 タイプSは、アグレッシブなエアロスタイルで注目を浴びた。存在感のあるフロントバンパースポイラーと翼断面形状を持ち中央部を大きく持ち上げたデザインのリアウイングは、風洞実験や実走テストを行うことで空力特性を向上し、操縦安定性の向上を狙って採用された。

HONDA S2000:EXTERIOR

大きく張り出したフロントバンパースポイラーは高速走行時に揚力を抑え、前方からの気流を整える役割を持つ。ドレスアップとしても魅力にあふれるが、機能を追求した結果採用された“標準装備”なのである。

INTERIOR

HONDA S2000:INTERIOR
セミバケットシートで
実用性とサポートを両立

インテリアにおけるカスタマイズは必要最低限にとどめられている。スポーツ走行に欠かせないのがシートの交換だが、ホールド性を重視しつつ日常使用における使い勝手や快適性も考慮してBRIDEのセミバケットタイプを選択した。S2000はもともとローポジションだが、着座位置は大きく変わらないレベル。

HONDA S2000:INTERIOR

①シート後方中央のディフレクターの前部には、動画撮影用のカメラを取り付けるステーを設置。これはオーナーのDIYだ。②OBDに接続することで、手軽にさまざまな車両情報を表示することができるGReddy インテリジェントインフォメータータッチを装着。

HONDA S2000:OWNER

OWNER'S VOICE

岡田英樹さん

中身に徹底的に手を加えつつ、見ためはオリジナルの魅力を崩さないように配慮した岡田さんだが、走行性能にも大きく関わるホイールとタイヤにはこだわった。フロント9J、リア10JのSSRプロフェッサーMS1はなかなかの迫力。どうしても履きたかったお気に入りのアイテムだが、これにPOTENZA RE-71RをセットしS2000を痛快なハンドリングマシンに仕立て上げた。セッティングが決まるとさらに愛着は増し、またサーキット走行でも戦力アップを実感したそうだ。

SPEC

ベース車両 HONDA S2000(AP2/2008年式)
タイヤ BRIDGESTONE:
POTENZA RE-71R F:225/40R18、R:255/35R18
ホイール SSR:Professor MS1 FLATBLACK F:18×9.0J、F:18×10.0J
フットワーク OHLINS:DFV Original Version
HYPERCO:SPRING F:800ポンド、R:700ポンド
SPOON:トーコントロールアーム
SPOON:ゼロバンプステアブラケット
SPOON:ドライブシャフトスペーサー
CSO:フロントネガティブキャンバーアダプター
CSO:フロントスタビパフォーマンスブラケット
オイル・バッテリー DEKA:ドライバッテリー Sports Power ETX-30L
NUTEC:NC-51
吸排気系 無限:Hi-PERFORMANCE AIR CLEANER & BOX
CSO:ビッグスロットル
CSO:SARD触媒整流アダプター
SARD:スポーツ触媒
TODA RACING:“トルキークン”エキゾーストマニフォールド
HKS:SSMマフラー
エクステリア HONDA:タイプS純正エアロパーツ
インテリア BRIDE:STRADIAⅡJAPAN
Greddy:INTELLIGENT INFORMETER TOUCH
その他 SPOON:クラッチディスク&カバー
SPOON:エンジントルクダンパー
SPOON:リジカラ
CUSCO:LSD RS SPEC F
CUSCO:フロア補強バー
M&MデフマウントツインフレームストロングダンパーKIT
CSO:デフマウントカラー
ZONE:14B、18E
DIXCEL:FPローター